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2013.10.6〜2014.1.30
無藝荘の電燈
長野県蓼科、小津安二郎の夏の仕事場「無藝荘」の玄関先に下がっていた電燈。
白光にさらされ、まだ光を放つ時間ではない。
2013.6.29〜2013.10.5
昭和7年竣工の奥野ビル(東京銀座1丁目)。
3階から4階に上る階段の踊り場に小窓がある。
そこから覗くのは廊下の床で、通り過ぎる人の足の動きが見える。
2013.4.29〜2013.6.28
ここは、どこでしょうか?
鳥が啄んだあとのある干したトウモロコシ、
そして菜の花が咲いている。
東京豊島区雑司ヶ谷です。
都電に沿った道、
散歩者のための休憩所のわきで遭遇した小景。
2013.3.17〜2013.4.28
雑司ヶ谷、鬼子母神の菓子屋「上川口屋」
創業は1781年。このあたりは私の学生時代からの散歩コース。
およそ、五十年前から、この店はいつ訪れても、気分の落ち着きを覚える。
昔はラムネを飲んだ。いつのころからか、決まって森永のミルクキャラメルを買うようになった。
かならずひっそり一人で来ることにしていたが、
最近ではなぜか進んで学生たちを連れてくるようになった。
2012.12.29〜2013.3.16
岩手県、花巻市。ある蕎麦屋の隣家で見かけた薪の塀。
2012.11.17〜2012.12.28
残光(東京、池袋)
――昼も夜も歓呼するために
2012.10.17〜2012.11.16
遠ざかる夏の記憶(東京都・練馬区)
窓に裏の家の百日紅が映っていた朝、猛暑の日となった。
2012.9.13〜2012.10.17
星空の映画祭(長野県・原村、八ケ岳自然文化園)
徳夜闇の道を野外ステージへと案内する灯り。ステージは森の谷間にある。
映画を見るには、最高の場所のひとつ。
少しくらいの雨でも上演する。もちろん、フィルム上映。
見たのは、『キツツキと雨』(監督・沖田修一 、主演・役所広司、小栗旬)。
笑いのバランスが絶妙な映画で、大いに楽しめた。
2012.8.7〜2012.9.12
ロンドンの記憶から
ある初秋、「テートモダン」に行く途中、首なし男に会った。
ぎこちない歩きかたで近寄ってきて、握手を求めた。
その手はまるで空気を握るように軽かった。
2012.7.8〜2012.8.6
埼玉県東松山市、岩殿山
かつては鶏小屋だったが、今は農作業の用具小屋。
大東文化大学東松山校舎の近くにあり、ときどき散歩で立ち寄る。
10年以上も前、桜の満開のとき訪れると、
鶏がけたたましい声で鳴き、小屋の中が狂奔状態だった。
理由は判らないが、桜の花吹雪のせいだろうと私は思った。
なぜか鳴き声が桜の花という花から、スピーカーのように増幅されて聞こえ、
それに鶏たちがいっせいに答えていたのだ。
いつしか鶏たちはいなくなり、桜の春夢も消えた。
2012.6.6〜2012.7.7
皆既日食
2012年5月21日午前7時39分 、東京。
実は太陽を直視する皆既日蝕よりも愉しんだ〈影の日蝕〉がある。何のことか?
写真のページの「にもかかわらず、時は動く」をご覧いただきたい。
2012.5.1〜2012.6.6
静岡市駿府公園内の紅葉山庭園にある茶室の窓
もちろん、富士山がよく見える立地だ。
ところが、茶室の窓から覗くのは、あくまでも富士をかたどった築山。
この〈見立て〉の富士のほうが、コズミックな空間を感知できると考えたかのようだ。
静岡市、浮月楼の庭にて
徳川慶喜が明治2年から約20年を過ごした屋敷跡で、
その後は120年ほど迎賓館として使われてきたが、
現在は料亭「浮月楼」になっている。約2千坪の庭園が開放されている。